ラプラスさ~ん
先日、宝くじを買いました~
一等が当たる気がします~
つかた君
一等が当たる確率は1,000万分の1くらい。
雷に当たる確率と同じくらいだよ
でも、当たる気がするんですよ~
不思議です~
そんなつかた君には
『行動経済学』を読んでもらいたいね
- 心理学と経済学に興味があるあなた
- なぜか宝くじが当たる気がするあなた
- 「松」「竹」「梅」3つのコースがあった場合、「真ん中」を選ぶあなた
- 「将来」のためではなく、「今」を楽しんでしまうあなた
本書『行動経済学(阿部誠)』は人間がとる不思議な行動
(例:宝くじの一等が当たると思うこと、3択あると真ん中を選ぶなど)
伝統的な経済学(人間は超合理的、超自制的、超利己的)では説明がつかないことを
カバーする学問である「行動経済学」について優しく解説した本です。
オールカラーで大変見やすいです。
約1時間ほどで読破できる内容になっていますので、
本を読むことが苦手なあなたにもおすすめです。
行動経済学とは?
そもそも、行動経済学って何ですか?
ズバリ!『伝統的な経済学から外れた部分に注目する学問』のことさ♪
伝統的な経済学では
人間は超合理的、超自制的、超利己的
に行動すると想定されていたようです。
〖超合理的であれば・・・〗
例えば、1ℓ150円のコーラと500mℓ100円のコーラがあったとします。
1mℓあたり、前者は150円 ÷ 1,000mℓ = 0.15円
後者は100円 ÷ 500mℓ = 0.2円
1ℓ150円のコーラのほうが割安ですので、100% 1ℓ150円のコーラ を買うはずです。
〖超自制的であれば・・・〗
例えば、資格合格のために1日10時間勉強すると決めたら
必ず10時間勉強するはずです。
〖超利己的であれば・・・〗
例えば、道に落ちていた1万円が入った財布
落とした人の気持ちを考えず
拾って自分のものにするはずです。
しかし、実際の人間は上記のように必ず行動するわけではありませんね。
実際の人間は
〖ほどよく合理的〗
「500mℓの方がコンパクトだから500mℓにしよう」
〖ほどよく自制的〗
「昨日10時間勉強したから、今日は8時間でいいか」
〖ほどよく利己的〗
「財布は警察へ。あわよくば落とした人から謝礼を」
などと伝統的な経済学からは
ほどよく外れています。
行動経済学は
伝統的な経済学から外れた部分に注目する学問
です。
なぜ宝くじの一等が当たる気がするのか?
ラプラスさ~ん
宝くじの一等が当たる気がするのはなぜですか~
ズバリ!『人間は確率を正確にとらえることが苦手』だからさ♪
人間は確率を正確にとらえることが苦手で、
低い確率を過大に評価し、
高い確率を過少に評価します。
特に確率が0%、もしくは100%の時に顕著に起こります。
わかりやすい例は、飛行機事故についてです。
飛行機事故の確率は10万回に1回程度です。
つまり、1日1回飛行機に乗っても274年に1回です。
事故に合う確率はほぼ0%です。
実際、日本では30年以上飛行機の墜落事故は起きていません。
なのに!
私は飛行機が大の苦手です。
なぜか、事故に合うと思っています。
海外旅行は好きで、よく飛行機に乗っているのですが、
出発前には毎回遺書書いとけばよかったかな~と思ったり、
出発直前には心拍数が急上昇、手のひらの汗がすごく出ます。
頭では飛行機が安全な乗り物とはわかっていても、こんな感じです。
本書を読んで、その謎が解けたのはうれしかったです。
飛行機についての詳しい話はこちらを参照ください。
どうやら、私という個人の問題というよりは
私たち人間の問題ということがわかったからです。
宝くじの場合も同じで、
一等が当たる確率なんて1,000万分の1程度なのに
『当たる』と思ってしまうのは
人間が確率を正確にとらえることが苦手
だからのようです。
仕方がないんです!
松竹梅、なぜ2択ではなく3択なのか?
ラプラスさ~ん
先日、おいしいコース料理を食べてきました~
よかったじゃないか!
ちなみに、コース料理は3つのコースから選べたかい?
そうです!
そして、つかた君は真ん中の価格のコースを選んだ?
はい・・・
なぜわかったんですか~
ズバリ!『人間は極端なものを避ける』からさ♪
人間は極端なものを回避する傾向があります。
よく挙げられる例は松竹梅です。
あなたが和食料理を食べに行ったとしましょう。
メニューを見ると
松:15,000円
竹:10,000円
梅: 7,000円
どれを選びますか?
半分近くの人は真ん中の〖竹〗を選ぶのではないでしょうか。
実際私は、先日真ん中の〖竹〗を選び、和食を食べました。
15,000円は高すぎるし、
7,000円でケチと思われたくない
と考えるわけです。
自分で選んでいるようで、お店に選ばされたというわけです。
人間の意思決定の傾向を知ることは
マーケティングでも活かせますね。
なぜ「将来」ではなく「今」を楽しんでしまうのか?
ラプラスさ~ん
先日、やらなければならない仕事があったのに
同僚と飲みに行ってしまいました・・・
なぜそうなってしまうんでしょうか?
ズバリ!『人間は「今」を重視する』からさ♪
明日取引先に提出する資料の作成が終わっていません。
仲の良い同僚に飲みに誘われたら、どうしますか?
A 誘いを断り、仕事優先で残業する
B 飲みに行く(「明日だけで終わるだろう」と思う) (中略)
「取引先との約束を守り信頼を積み重ねていくこと」のほうが
将来的にはメリット(効用)が高いとわかっていても、
多くの人が目の前の「飲みに行く」という楽しみ(効用)を選んでしまいます。
実は、人間が効用の大きさを感じる時、現在に近いほど大きく感じ、
先のことになればなるほど小さく感じます。(中略)
今の効用を過大に評価することを「現在バイアス」と呼びます。
あなたもきっと
仲の良い同僚に飲みに誘われたら、
「飲みに行く」
を選択する人がの方が多いと思います。
私はそうです。
明日資料を作成すればいいかと思います。
どうやら
「現在バイアス」
が働いているせいのようです。
自分の行動が腑に落ちました。
まとめ
- 宝くじが当たると思うのは、人間が正確に確率をとらえることが苦手だから
- コース料理が松竹梅の3択なのは、「竹」を選ばせたいから
- 将来のためではなく今を楽しんでしまうのは、現在バイアスのため
人間がとる不思議な行動の理由が知りたいあなた
心理学や経済学に興味があるあなた
そんなあなたに『行動経済学』はおすすめの一冊です。
最後まで読んでいただき
ありがとうございました♪
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